開放式脱気装置DS-84L

管内面の孔食や潰食による漏水事故の低減

銅管は耐食性、施工性に優れ、かつ長年にわたる使用実績を有することから給湯用配管に広く使用されています。しかし、使用される環境、特に水質によってはまれではありますが、管内面に孔食や潰食を生じ漏水事故に至る場合があります。開放式脱気装置では、これらトラブルを低減し、改善を図ります。

開放式脱気装置の特徴

給湯水中の溶存気体(溶存空気、残留塩素、遊離炭酸)に潰食や孔食を低減します。

潰食とは

銅管の表面上の保護皮膜が気泡の巻き込みや流れの乱れ、過大な流速によって機械的に削り取られる現象です。腐食面に腐食生成物がみられず、馬蹄形状の腐食形態を示し、水野下流側に向かって深く浸食されるのが特徴です。

潰食とは

給湯管経路にバイパス設置し、一部取り出した給湯水を脱気した後、給湯管経路へ戻し循環することで、給湯水全体を処理することができます。

潰食とは

広範囲な給湯圧力(給湯圧力:0.1~0.4MPa)や給湯使用量の変動にも対応処理します。
(基本的に設置場所を選びませんが、往主管を推奨)


一体型であるため、設置が容易。


定期的な消耗品の交換以外の日常点検及びメンテナンスは不要。

循環給湯銅管の給湯水側からの腐食事例と対策の要点

給湯水を大気に解放することによりトラブルを解消

水中の溶存気体は銅管腐食の大きな要因となるといわれています。また、微細な気泡が多い場合には、 潰食を助長する要因となりやすいため、配管系からできるだけ気体を除去する必要があります。 本機では、脱気装置タンク内でスプレーして給湯水を大気に解放することにより、溶存空気や、残留塩素ならびに 遊離炭酸を放出させ、給湯銅管のトラブルを解消します。

腐食事例 発生要因・環境等 対策
潰食
      ①機械的な要因
    1. 給湯水中に溶解した溶存空気は、圧力変動により微細気泡となり保護皮膜を破壊
    2. 揚程の大きな循環ポンプ使用で圧力変動を助長
    3. 密閉式膨張タンクの採用による溶存空気の排出能力激減
    4. 流速、管の曲り、流路の断面形状変化、気泡の混入など、流速の過大、激しい流水の乱れ
開放式脱気装置の設置
      ②科学的な要因
    1. ph、炭酸成分、陰イオン及び塩成分の飽和度
    2. 温度の上昇、phの低下が潰食発生を助長
Ⅱ型孔食
      水質的な要因
    1. 重炭酸イオンに比べて、硫酸イオンが多く、更に、残留塩素濃度が高い場合
    2. 重炭酸イオンに比べて、硫酸イオンが多く、更に、溶解性シリカが多い場合
    3. 遊離蘭さんを含んだ水を使用している場合
開放式脱気装置による効果

下記の一連のデータから開放式脱気装置の設置により、腐食因子である溶存空気、
残留塩素、遊離炭酸の低減に有効であることが確認できます。

開放式脱気装置による効果
開放式脱気装置による効果
標準仕様
開放式脱気装置による効果
設置場所 屋内・屋外
脱気処理水 給湯水(80℃以下)
脱気処理水 0.1~0.4
処理量 40L/min
電源 三相200V 15A
接続配管径 出入側共25A JISO10K
材質 水槽 SUS304
ポンプ SUS製
配管材 SUS304
弁類 青銅製
重量 本体:98kg 運転時140kg
概略外形寸法 820w×450D×1,320H(突起は除く)